明石家さんまさんが賞賛した、鞘師里保さんの「鞘師里保の人生」を選んだ決断

鞘師里保さんがモーニング娘。'15を今年いっぱいで卒業することを発表した。その翌日収録されたヤングタウンで、明石家さんまさんは今年いっぱいでモーニング娘。を卒業するという鞘師さんの思い切った決断をすごいと賞賛した。

sixteen [Blu-ray]明石家さんまさんは60歳で芸能界を引退しようと思っていたが、ファンや仲間の芸人からやめないで欲しいと強く言われ、引退を撤回した。また、大竹しのぶさんと結婚したときも引退を考えたとこがあったという。

さんまさんは番組内で「『明石家さんまの人生』としては上出来すぎるぐらい上出来、ファンのみなさんに支えてもらって、この歳になるまでテレビに出させてもらうとは思っていなかった。しかし、『杉本高文明石家さんまさんの本名)の人生』としては悔いが残ることろがある。」と述べた。

鞘師さんは『モーニング娘。鞘師里保の人生』と『鞘師里保の人生』の人生の帳尻をどう合わせるか、道重さんの卒業以降そのことに悩んでいたのではないだろうか。

鞘師さんは今年に入ってから本人曰くスランプに陥ったり、体調不良になり仕事を休んだりということがあった。そのたびにファンの人達から励ましの声をが多数寄せられた。しかし、本人はありがたいと思うと同時に、ここで卒業することはファンの人たちを裏切ることになるのではと思い悩んでいたかもしれない。

モーニング娘。鞘師里保の人生』としては上出来だが、『鞘師里保の人生』としてはどうなんだろう。『鞘師里保』として、今後どれだけ才能を開花させることができるか、また世界で自分の力がどれほどのものなのか、試してみたいというという思いが強くなったのだろう。

そして番組の中で、さんまさんは鞘師さんから卒業の報告を受けたとき、ふと『5万円事件』のことを思い出したという。鞘師さんがコンサート当日遅刻をして予定時刻の飛行機に乗り遅れたため、自腹で5万円を払い次の飛行機で会場に来たというエピソードである。

さんまさんはそのとにきは既に腹の中で卒業の判断を決めていたのではないかと述べた。鞘師さんは必死に否定したが、さんまさんは「鞘師、お前には分かるはずや」と言った。

なぜさんまさんは分かると言い切ったのか。それはこれと似たような経験をしているからである。ビートたけしさんの『お化けが出た事件』である。

かつてオレたちひょうきん族の人気が衰退してきたころ、ビートたけしさんが番組を休みがちになり、番組を収録日当日に「お化けが出たから休む」と連絡し、収録が大混乱したことがあった。その後しばらくしてオレたちひょうきん族は終了した。

その後ビートたけしさんは映画監督としてデビューし、ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞する。

『お化けが出た事件』のときには、ビートたけしさんはもう、それまで『ビートたけし』として培ってきたステータスを脱ぎ捨てて『北野武』として新たなフィールドを見つけたいという決断が、腹の中でできていたのかもしれない。

同時にその頃、さんまさんの盟友である島田紳助さんはニュースキャスターに転向し(のちにお笑いに戻る)、片岡鶴太郎さんはプロボクサーに転向した(のちに画家に転向)。しかしそこでもさんまさんは『明石家さんまの人生』を選んだ。

「どこで自分の帳尻を合わせていくかっていうのは非常にええことやし、失敗しても選んだ道を選ぶのが人生やな。自分で決めて自分で。それが鞘師が後悔してもまたそれがええねん。後悔が楽しいねんね」と、さんまさんは鞘師さんにエールを送った。