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鞘師里保さんは「すいませんはけますね」と言って武道館のステージを降りていった

「スポットライトの長さはエンターテイメントに比例する」小室哲哉さんがデビューして間もない頃言った言葉だ。

鞘師さんは今年の12月31日でモーニング娘。'15を卒業する。まだ卒業には23日あるわけだが、「鞘師さんのいるモーニング娘。の武道館のコンサート」は今日が最後で二度と見ることができない。

客席の角度と、四方八方に囲まれたサーカス効果と、聖地としての独特の空気感。大音量のキックの振動、きらびやかな照明。炎を使った演出もとてもよかった。モーニング娘。'15には本当に武道館という「箱」がよく似合う。

モーニング娘。'15のコンサートが他のアイドルのショーアップと違うところは、ショーアップはアトラクション的なものではなく、あくまでパフォーマンスを引き立てるためのもので、主役はモーニング娘。'15メンバー卓越したスキルを持ったメンバーの実力がなせる技である。モーニング娘。'15の凄さを見せつけるには、武道館こそが最高の場所だ。

正直、鞘師さんがモーニング娘。'15を卒業することで、他のメンバーにもこれから大丈夫なのだろうかという不安を持っているのではないかと思っていたのだが、そんなことは杞憂だった。

モーニング娘。'15の「モーニング娘。感」は今までより輝きを増していた。神々しいという表現がぴったりだ。強さと迫力に満ちたステージだった。

鞘師さんの卒業が発表されてから慌ただしいスケジュールで駆け抜けてきて、余裕もない中での武道館となったと思われるが、生っぽい感じがして良かった。一人ひとりが見えない未来へためらわず前へ力強く進んでいくモーニング娘。'15の姿を感じることができた。

「今のモーニング娘。ってすごい!」と世間を驚かせたフォーメーションダンス。『君の代わりは居やしない』、『What is LOVE?』、『愛の軍団』、TIKI BUN』、『Password is 0』、『わがまま 気のまま 愛のジョークなど』のEDM路線の楽曲では、鞘師さんがセンターのモーニング娘。の重厚感を感じた。アコール前の最後の曲は、鞘師さんが、自分にとって一番の思い出の曲、『One・Two・Three』で締め括った。

アンコールの『ここにいるぜぇ』では、鞘師さん以外の他のメンバーが、鞘師さんを真ん中に引っ張り出すなど、全く違う振り付けをするというサプライズもあった。

最後のメンバーの挨拶では、佐藤優樹さんが「鞘師さんの嘘つき。ずっと一緒にやってくれると言ってたのに」と言い、譜久村聖さんは「鞘師さんと一緒にモーニング 娘。で叶えたい夢もたくさんあった」と言った。「もっと一緒にやりたかった」そういう思いが伝わってきた。

鞘師さんがここでモーニング娘。から居なくなるということは、寂しいとかそういう次元ではなく、日本のエンターテイメントにとって損失と言えるほどのことかもしれない。

アメリカに行って帰ってくるときには英語やダンスを覚えるということだけでなく色々なことを吸収して、「成果を持って」帰ってきたいと鞘師さんは力強く言った。鞘師さんが思っている「成果」とはきっと、ファンの想像を超えるような大きいものだろう。

ダブルアンコールでは「走っていっていいですか?」とステージの左走って行きファンに手を振り、最後はステージ中央のセットに隠れ、顔を出したりひっこめたりして、「すいません、はけますね。ありがとうございました」と行って武道館のステージを降りていった。

その姿はスーパースターではなく、紛れもない等身大の鞘師里保さんだった。最後までカッコいい自分でいるのは性に合わないと思ったのかもしれない。少し恥じらい、照れくさそうな笑顔見せながら、武道館のステージを降りていった。

 

One・Two・Three

One・Two・Three

 

モーニング娘。 鞘師里保 写真集 『 アンドゥトゥア 』

モーニング娘。 鞘師里保 写真集 『 アンドゥトゥア 』

 

 

 

 

モーニング娘。 鞘師里保 全集2011-2015