ライブハウス武道館へようこそ
5月26日にアンジュルムになって初めての武道館公演を前に、リーダーの和田彩花さんがファンに足を運んで欲しいと次のようなツイートをされていました。
それと、ライブでメンバーの全身が見えることなんて、滅多にありません。
— アンジュルム@百花繚乱 (@angerme_1129) 2015年5月15日
私たちの今のホームは、ライブハウスなのでっ🐰
ステージセットや豪華な照明まであるんだぞーすごいぞー。
和田彩花 #アンジュルム
「ライブハウス」と「武道館」という言葉を見て、私は思わず「ライブハウス武道館へようこそ」というフレーズを思い出してしまいました(和田彩花さんが氷室京介さんと同郷の群馬県出身というのもあって)。
「ライブハウス武道館へようこそ」という言葉は、1986年、BOOWYが初武道館公演を行ったときに、ボーカルの氷室京介さんが「IMAGE DOWN」という曲の間奏で発した言葉です。
BOOWY IMAGE DOWN 1986 7 2 日本武道館 - YouTube
ライブハウスというアンダーグラウンドなところからメジャーシーンにのし上がり、オーディエンスを熱狂させ音楽シーンを変えた。俺たちにとっては、武道館も今までやってきたライブハウスのひとつだぜ。というメッセージを感じます。
そしてこのライブはアルバムとして発売され、バンドブームが全国に広がりました。多数のバンドが出現し、音楽番組や様々なシーンにロックが浸透していきました。この言葉が日本の音楽シーンの主流をポップスや演歌からロックに変えたと言っても過言ではありません。
その後いろいろなアーティストが武道館コンサートを行う中でこの台詞を言うようになり、アイドルでもPerfumeやももいろクローバーなどが「ライブハウス武道館へようこそ」を言っています。
℃-uteの岡井千聖さんは両親がBOOWYのファンでお腹にいるときからBOOWYを聴ていたという熱烈なファンで、武道館でないところでも「ライブハウス武道館へようこそ」を2回言ったことがあるそうです。
多くのアイドルの場合は世代も違うので本人というよりもプロデューサーが言わせているケースが多く、「ライブハウス武道館へようこそ」という言葉は、起源やリスペクトとは関係なく「いらっしゃい」と同義なものになっています。
しかし、現在のアイドル戦国時代の状況は、様々なバンドが天下を取ろうと独自の音楽性を打ち出し、シーンを作り出していったバンドブームの頃と似た空気を感じます。
今のアイドル音楽はエモーショナルで独自性に満ち、ロックよりもロックな熱さを感じます。この中で、音楽業界やシーン全体を塗り替えるような、本来の意味の「ライブハウス武道館へようこそ」を和田さんが言ってくれたらなあ、なんて思っています。